3.自己資本比率
イ) 概要
総資本に対する自己資本の割合を示す指標で、これが高いほど病医院の財務基盤が安定していると言えます。
低いと外部からの資金調達能力が低くなると同時に、相対的に負債、とりわけ借入金が多くなって金利負担を増すことになります。
わが国の実態としては優良病医院ほど高く、不況業種ほど低くなっているのが実態です。
病医院の財務基盤の安定性という観点から50%程度は必要です。
ロ) 改善のポイント
一般的には、自己資本比率が高いほど、病医院の財務基盤が安定していると考えられます。
単年度の数値よりも前期との比較で考えます。
自己資本比率が低下した場合、改善策には2つの方向性が考えられます。
a) 自己資本の増強
i) 利益の確保
b) 負債の圧縮
i) 遊休資産を売却し、借入金を返済する
ii) 余剰資金があれば返済に充てる
一般的に安全性の観点から、自己資本比率は高いほどよいと言われています。
小規模の病医院では負債の中に経営者(院長等)から病医院への貸付が含まれている場合もあります。
この場合の貸付は実質的には経営者が出資した自己資本と変わりないため、自己資本に組み入れて分析する場合もあります。
【A病院の事例】 ●安全性分析
【安全性分析から抽出した問題点】
当座比率が低い・・・
流動比率は適正であるので、棚卸在庫が多いことが要因。
不良債権の撲滅と売掛金の回収ルールの徹底を図り現金化のスピードを高めることが必要。
自己資本比率が低い・・・
自己資本の源泉である利益を増加させ、自己資本比率を高め、借入に頼らない財務体質への変革が必要。