自社の経営課題 整理法

1-2-3 損益計算書分析で収益性の問題点をつかむ

<< 前回の記事はコチラ

4  取引先・市場・商品の推移で、売上の増減の要因をつかむ

【分析ポイント2  続き】

1. 部門別損益を分析する

 得意先数の増減

すべての取引先において減少が見られる。

2. 商品群別、部門別損益

第一営業部は、一時期売上が減少したものの、H15を上回る水準に回復。

取引先数は減少しているが、催事の増加で売上をカバーしている

第二営業部は、この3年間で10%の売上減少

限界利益率は両部門とも上昇しているが、棚卸在庫の増加状況を考えると実際の利益率は低下している可能性もある。

  
【3つの分析ポイントから抽出した問題点】

1. 人件費の増加

賞与は減少しているが、給与自体は増加している。

役員報酬の増加(2名増加)

2. 人件費以外の固定費では、保険料の増加が突出している  →役員保険への加入   
3. 限界利益

限界利益は増加しているが、棚卸資産も増加しているため利益の調整がないかを確認する必要がある。

→ 地金等の評価見直しによる増加と、棚卸資産の水増しが判明。  

4. 部門別損益

第一営業部は売上、利益ともに検討しているが、催事による増加のため安定的とはいえない。

→ 店頭のプロパー販売額の減少に歯止めがかかっていない。

第二営業部の減少が大きくなってきている。

ヒット商品がでていない。ドライブインの集客力の低下と、閉鎖ホテルの宿泊客数の低下による売上不振。   

5. その他

営業外費用、特別損失が増加しているが、これらは店舗閉鎖に伴う除却損や役員退任に伴う退職慰労金の支払のためであり、一時的な増加のため問題点には挙げていない。

しかし、支払利息は増加傾向にあるため、金利の交渉などが必要となる。

関連記事

  1. 1-2-4 損益計算書分析で収益性の問題点をつかむ
  2. マーケティング ◆ターゲット・マーケティングの実践法
  3. ◆信用調査について 与信管理と貸倒れ予防対策
  4. ◆良い企業の「組織風土」 「マクロ環境」の要因
  5. 決算分析 1-1 経営課題抽出の体系
  6. 大阪府の会計事務所 ◆中小企業の生産性を向上させる! テレワークの導入・実践法
  7. あらゆるチャネルを連携させて顧客感動を実現する!
  8. ◆経営計画の必要性
PAGE TOP