(3)資本利益率と資本回転率で資産効率をみる
収益性分析は、その病医院がいかに効率的に利益を得ているかの分析であり、一般に資本利益率から把捉されます。
資本利益率とは、その病医院が利益を得るためにどの程度の資本を使用しているかを意味し、資本とは具体的に資産を示すことになります。
この資本利益率は、下図に示すように公式を展開することができ、医業収益利益率と資本回転率との積となります。
したがって、収益性を高めるということは資本利益率を高めることを意味し、具体的には次のような方法が挙げられます。
一定の医業収益に対して、いかに利益を多く獲得するか
一定の資本(資産)に対して、いかに医業収益を上げるか
1.資本利益率
資本利益率は資本(資産)と利益の関係を示すものですが、資本と利益の組合せからさまざまな資本利益率があります。
その代表的なものは次の3つですが、便宜的に他の組合せで分析する場合もあります。
イ) 総資本対経常利益率(ROA)
i) 総資本対経常利益率(ROA)の概要
経営活動全体に投下された総資本に対して、経常的な経営活動の成果である経常利益がどれだけ得られたかを示す指標で、病医院の収益性を分析する代表的な指標です。
ii) 公式
iii) 判断のポイントと改善案
実務上は、同規模の同業他病医院と比較したり、前年と比較して判断します。
総資本対経常利益率は、単独に改善を図るより、全体の傾向をチェックするための指標です。
分析に際しては医業収益対経常利益率と総資本回転率に分解して、それぞれの改善を図る形で分析します。