1 変動損益計算書を活用すると、見えなかったものが見えてくる
(1)変動損益計算書とは
変動損益計算書は、売上高から変動費を控除し限界利益を表示する様式で、直接原価計算様式ともいわれます。
通常の損益計算書に比べて利益予測や利益計画に役立つなど、戦略的に優れています。
売上高 - 売上原価 = 売上総利益
売上総利益 - 販売費及び一般管理費 = 営業利益
営業利益+ 営業外収益 - 営業外費用 = 経常利益
売上高 - 変動費 = 限界利益
限界利益 - 固定費 =経常利益
限界利益は、売上高が1単位増えるごとの増加利益を表しています。
売上高に対する限界利益の割合を限界利益率といいます。
【 例 】
(2)費用の性質
売上原価や販売費及び一般管理費の中には、売上高の増減に応じて変化する変動費もあれば、売上高の増減に関係なく毎期発生する固定費もあります。
よって、費用を変動費と固定費に分けて捉えることによって、企業の収益性をより正確に把握することができます。
また、変動費と固定費では費用の性質が異なるので、削減方法も自ずと異なります。
よって、コストダウンを図る場合にも、変動費と固定費に分けて検討することが大切です。