患者申出療養とは、どのようなものですか?
「患者申出療養」とは、現在の保険外併用療養費制度のなかの評価療養で実施されている「先進医療」を拡大し、患者ニーズが高まっているさまざまな先進的医療を迅速に受けられるようにすることを目的とするものです。
■ 先進医療は混合診療を例外的に認容
混合診療とは、公的保険が適用される保険診療と患者が自己負担で受ける保険適用外の自由診療を組み合わせたもので、日本では原則として禁止されています。
しかしこの例外として、医療技術の高度化や医療に対する国民ニーズの多様化に対応するため、公的な医療保険としてのサービスの水準を確保しつつ、患者の選択(患者の負担)による保険適用外の追加が認められているのが保険外併用療養費制度です。
例えば、その安全性や有効性の観点から、保険診療としては認められていない治療法(陽子線治療や重粒子線治療など)をまず先進医療として認定し、こうした先進医療については、本来禁止されている混合診療を例外的に認めるというものです。
この先進医療を拡大し、迅速に受けられるような制度構築を目指したものが、患者申出療養なのです。
【例】 陽子線治療は保険外併用療養(先進医療)として認められているため、ほかの保険診療(例えば血圧の検査や投薬等)自費+保険負担額(30%)が認められる