8 損益分岐点分析で、自社の経営安全度をみる
(1)損益分岐点とは
損益分岐点とは、収益の額と費用の額が等しくなる点、すなわち利益も損失も生じていない売上高、いわゆる採算点を言います。
損益分岐点は、売上金額だけでなく、工場の操業度や販売個数などによって表すこともできます。
損益分岐点売上高は以下のように固定費を限界利益率で除しても求められます。
(2)損益分岐点図表(売上・費用・損益関係図)とは
損益分岐点を求める算式により、損益分岐点を図表化することができます。
この図表により損益分岐点を可視化できるだけでなく、利益を増加させる方法をコスト面からイメージすることができます。
(3)損益分岐点比率で、自社の経営安全度がわかる
現状、または想定している売上高が、損益分岐点売上高と比較して、どの位置にあるのかを示すのが損益分岐点比率です。
100%から損益分岐点比率を差し引いたものが、経営安全度です。
これらは、以下の算式で表されます。
損益分岐点比率=損益分岐点売上高÷実際売上高(%)
経営安全度=(売上高-損益分岐点売上高)÷実際売上高(%)
損益分岐点比率が高いか低いかにより、会社の収益獲得能力面での安全度が判断できます。
損益分岐点比率は低いほど、現状または想定している売上高が損益分岐点売上高を上回っていることを意味し、損益構造上望ましいと言えます。