つまり、損益分岐点が低ければ低いほど、企業はより少ない売上高で利益を得ることができます。
損益分岐点が低いということは、その企業が売上高の減少というリスクに強いことを意味します。
経営安全度については、高ければ現状、または想定している売上高が損益分岐点売上高に対して余裕を持っていることになります。
(4)事例企業の分析結果と問題点
【卸売業A社の事例】
【損益分岐点分析から抽出した問題点】
損益分岐点比率が高い・・・ 損益分岐点の引き下げ→固定費の削減と変動費(仕入)の削減
目標としては85%程度
【損益分岐点比率を下げるポイント 】
損益分岐点を下げ、不況耐久力を付けるためには、企業としては、いくつかの方策があります。
1つは、限界利益率を上げること、言い換えれば変動費(率)を下げることです。
具体的には、仕入・材料費・物流費の削減等がこれにあたります。
もう1つは、固定費を削減することです。
具体的には、正社員を減らしパートタイム・アルバイト・派遣社員などのより弾力的な雇用への切り替え、外注・アウトソーシング等がこれに相当します。
また、遊休化し稼働率の極端に低い設備の除却等も、これに当たります。
一時的に除却損等が発生しますが、中長期的には損益分岐点を下げる効果があります。
このように固定費の削減には、事業構造の見直し(リストラクチャー)が欠かせないといえます。