貸借対照表は、大きく「資産の部」「負債の部」「純資産の部」に分かれます。
さらに、それぞれを細分化すると、「資産の部」は「流動資産」「固定資産」「繰延資産」に、「負債の部」は「流動負債」と「固定負債」に分類されます。
それぞれのバランスは、下記の図のように面積で考えると理想バランスがイメージしやすくなります。
貸借対照表を6つにブロック分けし、流動資産で2ブロック、それ以外では1ブロックずつとします。
流動資産は1年以内に現金化できるものであり、流動負債は1年以内に支払わなければならない債務です。
流動資産と流動負債の関係を見ると、流動資産が流動負債の2倍が理想形であることがわかります。
また、流動資産には棚卸資産も含まれており、すぐには現金化できないため、現金預金と比較的現金化しやすい「医業未収金」とを合計した「当座資産」を基準に考えると、当座資産と流動負債は同程度が望ましいといえます。
3 事例病院の分析結果と問題点
A病院の貸借対照表からは、以下のことがわかります。
【分析ポイント1】
1.総資産の増減
平成16年1月期 661,517千円
平成17年1月期 621,288千円 △40,229千円
平成18年1月期 640,357千円 +19,071千円
【増加している科目】 棚卸資産、投資有価証券、保証金、その他投資等
【減少している科目】 売掛債権、有形固定資産、繰延資産
2.負債の増減
● 流動負債
平成16年1月期 415,850千円
平成17年1月期 332,922千円 △82,928千円
平成18年1月期 379,554千円 +46,632千円
【増加している科目】 短期借入金、未払費用、未払法人税等、預かり金
【減少している科目】 買掛債務、その他流動負債
● 固定負債
平成16年1月期 106,831千円
平成17年1月期 148,696千円 +41,865千円(長期未払金含む)
平成18年1月期 119,506千円 △29,190千円(社債含む)
【増加している科目】 長期未払金【減少している科目】 長期借入金
3.総資産と負債の増減バランス
総資産の減少20,160千円 <負債の減少23,621千円・・・・・判定「○」
【分析ポイント2】