2 「実数」「比率」の時系列分析で傾向と要因をつかむ
決算書診断の基本は、時系列で比較することです。
少なくとも3期以上のデータを時系列に並べて期間比較し、その変化を見ることにより、その指標が上昇傾向にあるのか、それとも下降傾向にあるのかのトレンドを捉えることが必要です。
急激な変動があった場合には、何故そうなったのか、その要因を探り、納得できるような答えが見つかるまで確かめることが重要です。
(1)実数分析
実数分析には、基本的な損益計算書分析、貸借対照表分析、キャッシュフロー計算書分析などがあります。
また、販売実績の比較を販売地域別、営業所別、営業担当者別、商品群別などに区分した期間比較も必要です。
このほかに、販売数量の増減による影響と販売単価の変動による影響も分析の対象となります。
増加、減少の要因を分析することによって、どこにどのような問題があるのか、いつまで、どうしなければならないのか、という改善策が明らかになります。
1. 損益計算書の分析で確認すべきポイント
損益傾向
売上高の増減
3つの利益(限界利益、営業利益、経常利益)の増減
経費の推移(変動費、固定費)
部門別損益
※ 損益計算書分析では、財務会計による診断では正確な収益力を把握しづらいため、変動損益計算書に置き換えて分析を行います。
2. 貸借対照表の分析で確認すべきポイント
自己資本の充実度
総資産の増減と自己資本の増減のバランス
売掛債権・在庫の増減バランス
3. キャッシュフロー計算書の分析で確認すべきポイント
投資キャッシュフロー
フリーキャッシュフロー
合計キャッシュフロー