(2)長期的な資金調達と運用状況の安全度をみる
1.固定比率
イ) 概要
これは固定資産を自己資本でどの程度賄っているかを示し、低いほどよい指標となります。
理想的には自己資本で賄い切る(100%以下)ことですが、わが国の病医院は固定資産を自己資本で充当することは困難で、130~170%というのが実態です。
● 良好な状態
● 自己資本不足
2.固定長期適合率
イ) 概要
固定資産が、自己資本と長期にわたって返済する固定負債によってどの程度賄われているかを明らかにするための指標で、固定比率と同様低いほどよいことになります。
わが国の病医院では自己資本と固定負債によって固定資産を賄うケースが多く、70~80%が一般的です。
ロ) 固定比率・固定長期適合率の改善のポイント
a)固定資産を細分化して、設備投資の費用対効果を検証する
b)既存固定資産の売却処分を含めた、設備投資計画の見直しを行う
固定比率および固定長期適合率は低ければよいというものではありません。
環境変化に即応した設備投資を行わなければ、将来の発展が望めないからです。
病医院の現況に適した投資を行い、長期の財務安定性とのバランスを取ることが必要です。